金属検出機の基礎、原理と特長について。
金属検出機とは
属検出機は製品の原料に含まれる金属や、製造過程に発生する機械からの部品脱落といった金属の混入を検出する装置です。消費者の安全を守る品質管理上で必要な事はもちろん、企業イメージや評判の低下といった社会的ダメージをも守る為にも重要な検査機械となっています。
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金属検出機の原理
金属検出機の検出部は、1つの発信コイルと2つの受信コイルで構成されており、発信コイルから発せられる高周波磁力線を2つの受信コイルで均等に受信して安定した磁界=電圧を保っております。この安定した磁界の中を金属が通過する事で、磁力線に変化が生じます。
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(磁性金属)が通過する時は磁力線が金属に引き寄せられて電圧は+側に変化し、アルミやステンレス(非磁性金属)が通過する時は金属に渦電流が発生して磁力線を消費する事で電圧はー側に変化します。一般的に鉄は低い周波数で、非鉄は高い周波数でより検出の効果が上がる為、現在主流の二周波検査方式では鉄と非鉄をそれぞれ効率よく検出する事が出来ます。
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なお食品では塩分、水分、鉄分といった成分を含んだ導電性のある製品が多く、非鉄と同じように製品中に渦電流を発生させて、あたかも金属が混入しているかのような反応をします。その為、金属検出機では位相という製品の持つ電気的な信号に対し、反対の信号を予め設定する事で、この反応を最小限に抑えて、より良い検出感度を得られます。
検出部の種類と特性
金属検出機の検出部は大きく分けると2種類あり、上下に分かれた対向型と、一体になった同軸型があります。
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対向型
- 発信コイルと受信コイルを分離できるので取付が容易で高さ変更が可能
- 検出領域の制限がある
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同軸型
- コイルは一体型となっており、全域で検出可能
- 防水仕様
*同軸型には自然落下や圧送パイプ設置用に適した 通過部が円形のタイプもございます。
検出金属の方向性
異物となる金属はその形状と混入方向によって検出能力が異なります。例えば鉄系の線状金属の場合、磁力線に対して直行する方向では検出能力が高まりますが、並行する方向では低くなります。この方向性の弱さを補うには、検出部を斜めに方向違いで2つ設置する事で、いずれかの検出部で検出できる可能性がアップします。
なお、線状の非鉄は渦電流を直径の大きさにしか形成できない為、方向にほぼ関係なく検出が難しくなります。弊社では鉄やステンレスワイヤーの検出に特化した磁化式の微小金属検出機NTシリーズもご用意しております。
製品に適した金属検出機をご使用いただく事で、より高い検出効果を得る事が出来ます。
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