検出原理

高周波高電圧 (V) は、絶縁性材料による密閉容器の検査箇所に印加されます。制御部で発生させた電圧を高圧トランスで昇圧し、検査電極から印加します。検査箇所に欠陥があると、容器内の液体 (R) にピンホール、クラック、密閉不良個所を通して電流が流れます。この図で Z1 の抵抗が失われた結果、電流量に変化が発生します。

この電流量の変化を検出することにより、欠陥の存在を認識することが可能になります。電流は電子回路内で読み取り可能な信号値に変換し、その結果を操作パネルに表示します。

 

等価回路を用いた電流計算

検査精度

0.1µm ミクロン穴でも確実に検知できる技術、それが当社の高電圧ピンホール

検査機です。このような微小の穴は肉眼や外観検査では見つけられないものです。

当社ピンホール検査機では、容器の完全性評価として充填フィルターメッシュ径の

φ 0.2µmよりさらに微小な 0.1µm 径穴をターゲットにしています。

 

 

 

当社高電圧方式による検知穴例 = ピンホール 0.5µm の顕微鏡写真

高電圧方式の特徴

食品及び医薬品用の包装におけるピンホール、クラック及びシール不良検査には色々な検査方法が用いられています。

各種の圧力方式、真空又は圧力下におけるダイ・テスト方式、着色活性剤を添加した溶液に製品を水没させ、リーク箇所から浸透した染液を肉眼で検査する方式等が有ります。

高電圧方式はこれらの各方法の中で最も信頼性・生産性が高い検査方式です。

特徴として、下記の点が上げられます。

  • 0.1 μmの微小穴検知が可能
  • 非破壊で検査が可能
  • 製品への二次汚染がない
  • 高速処理で全数検査に適し、且つ信頼性の高い方式
  • 1μS/cmの注射用水(WFI)、ブドウ糖など低導電率製品も検査可能
  • 医薬品容器全般への容器完全性試験 (CCIT : Container Closure Integrity Testing) の要求の高まりを受け、高電圧式検査は最適なパフォーマンスを達成

 

検査性能検証

ニッカ電測は高電圧式ピンホール検査機のパイオニアで、検知するための技術は勿論、その検証についても70年以上に渡る経験と蓄積からご提案することができます。

現在、国内外で確実かつ再現性のある方法として広く使われているのが、レーザー加工によるピンホールの作成です。

ミクロ単位(1桁)でのレーザー加工による穴の作成が可能、これまでの検証では 当社装置で確実に検知することが証明されています。※ワーク条件による。

 

ニッカ電測では、国内外のレーザー加工サービス会社と協力しており、お客様の検証をサポートすることができます。

特殊ツールを使用し 0.1 μ m 穴のサンプルの作成も可能です。

テストキット

テストキットは生産現場で装置の準備状況を確認できる日々のバリデーションサポートツールです。

お客様の容器形状をもとに作成され、良品用と不良品で値を変えた高圧抵抗を装置の電極構成に合わせて配置し、装置に通過させることで良品・不良品の判定、選別、信号表示、供給から排出の各センサーなどの機器が正常に機能していることが確認できます。

 

高速インラインシリンジ用ピンホール検査機

SLDシリーズは、標準で4または6の高電圧検査チャンネルを備えています。各電極は、容器のサイズおよび液体の導電率に基づいた検査範囲を有しています。シリンジの最も脆弱な部分であるニードルキャップ、バレル、ゴム栓を検査します。ネスト供給・ネスト排出に対応可能です。

 

シリンジ検査箇所

機械レイアウト

使用

型式 SLD
検査ステーション 4+チャンネル
処理能力 最大 600本 / 分 (胴径φ8.2~11㎜)
消費電力 3.5kVA
電源 200 - 480VAC. 50/60Hz