食肉加工における微細金属混入の解決方法
金属クレームに悩まされ続ける食肉加工
現在、食品工場の製造ラインでは金属異物全般を検出できる金属検出機が導入されており、更なる検査レベルの向上としてX線異物検査装置を導入している企業も多い。それでもなお金属クレーム問題がゼロにはならない現状で、より小さな金属異物は食品加工企業の頭を抱えさせております。畜肉加工業界も同様で、実際にクレームとなる金属物の多くの材質がステンレスで、小さな粒や粉状のもの、針金状の細いものとなっております。
実際に食品工場の製造現場では殆どと言っていいほどステンレス設備で構成されおり、混入する金属は、
・ 家畜が食べた原料由来のもの
・ 注射針
・ 原料を捌く段階で破片などの混入
・ カット、練り等の加工工程
といった原料に始まり、各工程でスライサーの刃の破損や摩耗などの金属混入は日常的に考えられます。大きく破損した場合であれば、通常の金属検出機やX線異物検査装置での検出も可能となりますが、微細なもの、針金状や薄いステンレス破片になると通常の金属検出機やX線異物検査装置での検出は難しくなっております。
針金状のステンレスを検出
この微小なサイズや針金状、薄いステンレスの検出を得意としているのが『微小金属検出機NTシリーズ』で、2006年から販売している新方式の金属検出機です。
リリース当時はX線異物検査装置の導入が主流になりつつあったため、販売台数、知名度共に低かったものの、その後使用頂いたお客様からの口コミや展示会出展など、地道に販促活動を続けた結果、販売台数も年々伸びており、現在では多くのお客様にご使用いただいております。
HACCP制度化を控えた食品産業において、従来の異物検査体制を見直す動きもあり、具体的に微小金属の検出ニーズが浮上しているのも要因となっております。
この『NTシリーズ』は、磁性金属が発する磁界のみを特殊磁気センサーでキャッチするため、被検査体の包装形態(アルミ箔包材やアルミトレイなど)や、性質(食品に含まれる塩分濃度や水分量、温度、形状など)の影響を受けずに高感度検出が可能となっております。
鉄は磁性体であるために元々検出はしやすいのですが、磁石につかないステンレスでも外部からのストレスや応力がかかる事によって磁気を帯びやすくなるという性質がある。よって、鉄や磁性を帯びたステンレス素材であれば、微小なものでも検出が可能となっております。
お客様からは感謝のお言葉
さらにこの機械は取扱いが簡単という事にも好評を頂いている要因となっております。磁性体のみにしか反応しない為、製品の性質に左右されないことから誤動作は起こり難く、複雑な初期設定や製品アイテムごとの感度の切り替えが不要となっているからです。製造ラインで働いている作業員の方々の厚い信頼をいただいております。実際に導入いただいたお客様からは、
「この機械のおかげで安心している」
「誤動作が無いのが良い」
「今までこんなに多くの金属を出荷していたのか」
「この機械無しでは出荷できません」
といったお言葉をいただいております。
様々な生産工程に対応する豊富なラインナップ
微小金属検出機NTシリーズでは、コンベア式以外にも、練りもの製品の搬送ラインに対応するパイプ型もラインナップされております。
従来型金属検出機では製品種類や製品温度、空気層での誤動作が多かったものが、『微小金属検出機NTシリーズ』は磁性体のみにしか反応しない為、従来
誤動作の要因となっていた製品温度や空気層にも影響される事がありません。従来型の金属検出機やX線異物検査装置との組み合わせにより、より高水準で安全かつ安心な異物混入対策が図れます。オーダーメイドにも対応し、お客様に最適な装置提供を行う事が可能になっております。